映画「あの頃。」感想

 

「あの頃。」見に行ってきました。

ハロプロ大好き人間として、

ハロプロのオタク達を描いた映画、見るっきゃないでしょ〜と映画の情報が公開された当初から楽しみにしていた映画でした。

満を持して公開となったこの映画、公開二日目に早速見に行って来たので感想を書きたいと思います〜!

(本当は公開初日に見に行きたかったんですけど、今映画館って20時に閉まるようになっているんですね。仕事終わりに行こうかとも思ったのですが全然無理でした。)

 

以下ネタバレ含みますので、ご注意ください。

 

まずはあらすじの説明。

 

松坂桃李さん演じる劔は大学生でベースを弾くバンドマン。とはいうものの、バンドとバイトとの両立は難しくベースのスキルは今ひとつ。

そんなぱっとしない彼に友人からこれでも見て元気を出しなよ、と渡されたのがあややのMVクリップ。何気なく見始めたあややですが、その魅力に一瞬にして引き込まれていきます。勢いそのままに出掛けたCDショップでハロプロのCDを眺めていると、その店の店員からハロプロのファン主催イベントを紹介されます。

イベントに参加した劔はそこでイベント主催者のオタク達と意気投合し親しくなります。

それからの日々は「中学10年生」のごとく、彼氏もいなければお金もないけれど、大好きな推しがいて、好きなものを共有する仲間がいる、しょうもなくて楽しい青春の日々を過ごしていきます。

ハロプロにハマって以来、ハロプロ一色となりベースにはホコリが溜まっているような状態となっていた劔はこのままでいいの?と仲間たちにバンドしない?と恋愛研究会。として歌うのが恋ING。(選曲!!!神!)

 

やがて、仲間それぞれにハロプロと同じくらい大事なものが他に出来、劔は大阪から東京に出ていったことで仲間と過ごす日々はなくなっていきますが、連絡は取り合ったり尚仲良くしている様子。

と、仲間の一人であるコズミンにがんの発症が発覚します。とは言うもののいつもと変わらないコズミンに初めは大したことないかと思われたがんですが、骨にまで転移していることが発覚。

かつて、女の取り合いなど、笑えないような話でもなんでも笑って楽しく過ごしてきた彼ら。コズミンが末期がんとわかると、過去主催イベントを開いた会場でコズミンの生前葬を企画。そこではかつて一緒に歌った恋INGを歌います。恋INGを歌いながら思わず涙してしまう劔に対して、何泣いてるんだよ?と笑うコズミンでしたが、日に日に体は弱っていきます。

もともと藤本美貴が大好きで、スケベなコズミンは女が好きですが、入院した病室にはアニメの女性フィギュアが陳列されています。今では女よりアニメのほうがいいんだと見舞いに来たと話すロビたち。

仲間達と青春をしていた当時、「昔は楽しかったっていう人いるけど、ダサいよね。」「今が一番楽しいよ。」と話していた劔達。劔は東京に上京して以降、紹介されたバンドでベースをしています。「コズミン、ごめん。俺は今が一番楽しいよ。」

 

そして、病室で衰弱しきったコズミン。コズミンはもう話すことさえままならず、「ウッ。」と音を発することで看護師に何かを訴えます。看護師は体を擦りますがまだ何かを訴えている。足元を見てみると、アニメのフィギュアが落ちています。「ああ、落ちちゃったのね。」と看護師はフィギュアを握らせ、そしてコズミンは目を瞑り、そのまま帰らぬ人となってしまいます。

恋愛研究会。の仲間達でコズミンを偲ぶ会を開催します。楽しくコズミンを偲ぶ彼ら。棺にはフィギュアをたくさん入れ、見送ります。

 

時は現代に移り、劔は大阪の恋愛研究会。の仲間たちと過ごした場所を訪れています。「今が一番楽しいよ。」コズミンと対話をします。「今もハロプロ見てるよ。30歳になった道重さゆみがなんて言ったか知ってる?10代の私はかわいい。20代の私は超かわいい。30代の私は超超かわいい。常にかわいいのピークなんです。」「かっこいいねえ。」「BEYOOOOONDSもいいんだよ。今のモーニングもかっこいいんだから。」

そして、時はコズミンの今際の際に戻ります。看護師に何かを訴えていたコズミン。フィギュアを握らせ満足したかと思いきや、まだ何かを訴えているコズミン。ああ、あれね、と気づいた看護師はコズミンにイヤホンをつけ音楽を流します。流れてきたのは、恋ING

 

感想

いや、ラスト涙涙涙。

最後に恋INGが流れて、「いや、まじか。」と思ったところで流れるクレジットロール。これだけで2,000円の価値アリです。

というか、冒頭で流れるあややのMV、石川梨華ちゃんの卒業コンサートでの梨華ちゃん卒業挨拶、夢羽ちゃん演じる神々しいあやや、これ全部このスクリーンで見ていいの?と。一つ一つに2,000円の価値あったので、元を取るどころかお釣りが出ます。

 

ベースをしているもののぱっとしない劔があややに出会って生き生きとしていく様は、オタクならわかるの嵐ですよね。特に、推しに出会い、ハマっていく瞬間のワクワク感は素晴らしいですよね。

劔も最初にあややのMVを見て、すぐにCDショップに赴き、イベントに参加し、と一瞬で沼にハマっていっていましたね。わかる。

そして出会った恋愛研究会。の仲間達。コズミンは最初からヤバイやつとして現れます。出会った初日、打ち上げに誘われた劔に対し、いきなり「名前は?聞かれる前に名乗れよ。名乗るタイミングもっとあったやろ。あいつらは無職のおっさんだからいいけど、、、」と。そんな初対面の人に喧嘩腰で言うやついます?しかも仲間のことめっちゃ下にみてるじゃん。

その後も「あの頃」のエピソードとして様々な日々が描かれますが、コズミンはずっとしょうもないやつです。年下の仲間の彼女に手を出したり、ネットで絡んでくるアンチに対し、「論破したるわ。」と息巻いて結局謝罪させられたり、、、。

ハロヲタの日々を見たい私からすると、そんなしょうもないやつ出すくらいなら、ゆはねあややのコンサートシーンも見たいんですが、と途中イライラしたりしてました。

コズミンはそんな嫌なやつだけど、でも憎めないやつです。コズミンはまさしく世に羽ばたく憎まれっ子です。

なので、中盤以降のコズミンのがん発症には驚きましたし、言うても寛解するものと思っていました。

一時、危篤状態に陥るも、危篤解除となったりしぶとくもありましたが、、、涙

 

「あの頃。」は、夢中になれる何かを見つけ、青春を楽しむ大人たちを描いていますが、「今を一番楽しめているか?」というのがテーマとしてありましたよね。

ハロヲタとして、イベントを開催し、仲間と楽しく過ごす日々。銭湯でみんな仲良く入浴しながら、「今が一番楽しい」という劔。でも、アイドルを推す、というある種刹那的な楽しさに生きていた劔が今のままでいいの?と、あややのポスターを外してみようとしてみたり、バンドをしてみない?と恋愛研究会。のみんなで恋INGを歌っていたのは、アイドルという好きなものを楽しみつつも現実にも向き合っている感じがして、良かったです。

そんなあの頃を受けて、東京に上京してきた劔はベースとしてバンドにも入り、「今が一番楽しい」と言います。

ただ、劔が東京に出てからはアイドルを推す描写はめっきりなくなってしまいます。コズミンも病室にはアニメのフィギュアばかりでハロメンはどこにも見当たりません。

「あの頃、ハロプロ好きだったよね。」そんな過去のものになってしまったのか、なんて少し悲しい気持ちになりつつも、時が過ぎれば変わってもいくよね。と自分に言い聞かせながら見ていたので、

ラスト、コズミンが聞いていた曲が恋INGがとわかった時。嬉しかったなあ。

そうだよね、みんなで歌った思い出の曲だもんね。「あの頃」を思いながら、最期を迎えたいよね。それに恋INGてめちゃくちゃいい曲だもんね。

不謹慎にも自分も最期、恋INGを聞きながら逝くのいいな。と思ってしまいました。

劔もハロプロから離れたわけではありません。今のモーニングも、道重も、BEYOOOOONDSもしっかり見ている劔、バリバリ現役のオタクですね。疑ってすんません!

(映画の時代設定的に黄金期〜6期くらいまでが中心のお話だったので、今のハロプロに言及してくれるの歓喜してました)

 

そんな感じで個人的に満足の映画でした。欲をいうと、「あの頃」のエピソード、推しの卒業に絶望したり(梨華ちゃんの卒業シーンはあったけど)とかCDのポジションに一喜一憂したりとかもっと濃いハロプロエピソード、欲しかったかなあなんて、思ったりはしてます。が、アイドルを通じて青春をするおじさん達の様、しょうもないけど楽しくて最高でした。